ずっと使いたいモノ、置いてます。

ゆったり、なのに上品＆おしゃれ

流行は移りゆくもので、洋服は特にそれが顕著にあらわれるモノでもあります。ただ、それでもやっぱり長く使いたいという気持ちと、愛用してきたモノへの愛着、着心地の良さは、流行り廃りだけでは語りきれないこと。そんな気持ちを汲み取るように、岡山県・児島のテキスタイルメーカーから生まれたブランド、SETTO（セット）は、服を永く付き合うパートナーと考え、実直な服作りを続けています。その中から、今回は綺麗なシルエットを作り出すシャツのご紹介です。

ボックス型でシルエットを作る

FARMS SHIRTはノーカラータイプのクリーンなシャツ。着てみて手を広げると、着丈や身幅がほぼ同じ長さのボックスタイプなのに、シルエットが洗練されているのは落ち感のある上質なシャツ生地と、背面に入ったタックのおかげ。体型を拾わない嬉しさがありつつ、すっきりと着こなせます。ノーカラーシャツは一番上までボタンをきっちりと締めて着るのが可愛いと思いますが、もちろんボタンを外して羽織りとしても着られます。また、薄手のスカーフを襟元に入れ込めば感度の高いスタイリングが出来上がります。

カラーはホワイトとネイビーに、ネイビーストライプが加わりました。定番色のシャツなので、合わせるボトムスのカラーを選ばずコーディネートしやすいですよ。このようにふんわりとしたトップスにはボトムスは細身のもの、というのが以前の定説でしたが、あえて両方ともゆとりのあるシルエットにしても洗練さは失われません。春秋は一枚で着られるのはもちろん、冬には中にタートルネックのロングTシャツを着たり、セーターの下にこのシャツを着てネック部分や袖を少し見せるレイアードスタイルも。

生地作りの鍵は「綿」

生地メーカーとしてのバックボーンから、様々な国の良質な綿の配合から研究・開発しているSETTO（セット）。世界中それぞれの綿の特徴に合わせた糸をオリジナルで紡績しています。 綿の良さを最大限に引き出したオリジナルの糸は、テキスタイルの経年変化へのこだわりと存在感へと繋がっていきます。

作る工程にもこだわり、厳選した綿の個性をさらに引き出すように、綿を糸に紡いでいき、カムと呼ばれる機械部品の回転数を0.1秒単位で調整し、味わい深い独特な風合いを作っていきます。綿は農作物であり、毎年綿質にムラができますが、それを微調整して一定品質の風合いに近づけるように作られています。

このFARMS SHIRTに使われているのは50番の精紡交撚糸のギザ綿。50番手というと、ドレスシャツに分類される上品で肌触りの良い一枚です。ギザ綿はエジプト綿の一種で超長綿と言われる、繊維の一本一本がとても長い希少な品種なのですが、繊維が長ければそれだけ糸を細くしっかりとと作ることが出来るので、完成する生地は軽くてしなやか、耐久性に優れているのです。

パートナーとなる服を

永く使われることを想定し、着心地の良い服を作り続けているSETTO（セット）。国内外のブランドへの素材提供で知られる岡山県・児島のテキスタイルメーカー、株式会社ジャパンブルーによって2014年から展開されているブランドです。

今ではデニムの聖地とも呼ばれる倉敷・児島は、かつて瀬戸内海に浮かぶ島でした。浅瀬を干拓し作られた土地は、米作りよりも塩気に強い綿花の栽培が盛んとなり、紡績業が発達。服装の洋風化が進み始めた戦前から学生服やジーンズを手がけ、戦後もアメリカのワークウェアブーム、ジーンズブームを経て、児島はジーンズの代表的な生産地となります。そんな歴史を持つ児島で、カジュアルウェアの生地を作り続けてきた株式会社ジャパンブルー。だからこそ出来る、説得力のある価値ある服づくりが今も続けられています。

SETTO（セット）の特徴は、素材の開発もデザインと捉え、テキスタイルの企画・販売で得られたノウハウをもとに糸、生地、色、形にこだわっていること。服を永く付き合うパートナーと考え、毎日の生活の中にある驚きや発見の喜び、楽しさを見つけながら、本質を大切にした服づくりを続けています。